8/14/2017

AMラジオ送信機~小豆5号機(1)



今回は、私の目的の中で、この小豆プロジェクトを進めております。

【目的1】

以前までのプロジェクトである、飛鳥シリーズのような製作のし辛さを如何に解消できるか。いやもう、飛鳥シリーズは二度と作りたくは無いです。間違っても、贈呈用としては絶対に作りたくないのです。木箱の都合で側面にプリント基板を配置した事により、各基板間をワイヤーで接続する事になった、と言う経緯があるのです。勿論、特性面では全く問題が無いように配慮しなくてはならなかったり(配線の引き回しによる回り込みノイズ)、そのせいで普通ならば不要なインピーダンスを下げる回路を加えたりしました事で、余計な回路規模増大になったのです。信号の経路としましては、高いインピーダンスで受け取り低いインピーダンスで送り出すと言うのは音響回路のみならずとも信号の配膳方法としては一般的であります事からも、ノイズ面では非常に有効なのです。勿論配線を引き回す手前では低いインピーダンス化を施したり(ボルテージフォロワーなど)しなくてはならなかったわけです。

そう言った製作面、設計面での疲労困憊を避ける為、可能な限りの最適化を行う、またはそれが行えるかが、小豆プロジェクトの目的の一つであります。

で、この項目についての達成率、満足率は残念ながら80%と言った所であります。

【目的2】

100%変調。飛鳥シリーズでは、回路の特性上と電波出力の関係で、100%変調はできておりません。可能ではあるのですが、仕様外の音声歪が発生する設計でしたので、必然的に少し音量が下がった位置に100%変調ほ設定しております(つまり音が小さい)。

その100%変調を達成する、それが小豆プロジェクトの目的の一つであります。

で、この項目についての達成率、満足率100%であります。現在一般商業放送局で主流になっていますPWM(PAM)変調方式のようなクリアな音質ではなく、1970年代以前の真空管式完全アナログラジオ送信機に近い音になってます。

また、Orban Optimod 9000シリーズの特性を独自に再現しました回路を基本搭載しています。音響プロセッサーに知識無い人用に表現しますと、1970年代のAMラジオに非常に近い音質、質感になります。60年代にAM, SSB系をされていたHAMの方に分かり易く説明するとしますと、ボイスプロセッサーが搭載されている、と言えばスパっと分かってもらえると思います。

とか、Optimodとか言うと、傍から見ているとア○丸出しで楽しい頭がお○○い人楽しい人が沸きそうですが(笑)。ま、それは置いといて(つ´_`)つ

【目的3】

送信出力の改善と、アンテナへの電圧供給のアップ。ただ、これは私個人で使うバージョンでのみ採用しています。具体的には、送信出力を4W(p-p)に設定し、飛距離をアップしつつ、変調特性を保持できるかどうか。

で、この項目についての達成率、満足率は残念ながら0%と言った所であります(小豆5号機では採用していない為)。小豆5号機の飛距離は、想定値としましては障害物有りの環境で30m程度。私が自分で使用するバージョンを設計する場合は、飛距離を200mに。

【進行具合】

回路その物はもう問題無く完成していますので、後は内部配線であります。ここから、作り易さと作り難さの探求を行い、どの部分が作り辛いかをピックアップして、それを改善していきます。偉そうに書いてますけど、私は完全に素人でして、自身の職の中にはこの電子回路関係とはかすってもおりません。なので、こう言った自己学習が楽しいわけです。

理想的なのは配線ケーブルを1本も使わない作品ってのがそれなのですが、残念ながら未だにそこまでには達しておらずですわね。内部配線ケーブルの多さ=出来の悪さ、というバロメーターは私の中では正しくもありますが、同時にアンティークっぽさを無くす要因でもあるのですよねー。同時に手作りっぽさはそういった部分で出るのかな、って認識であります、私の中ではね^^。

で、とりあえず、Potentiometer(VR)が、仮に取り付けている物は、ツマミ軸がツルツルのタイプで、ツマミはネジ式でないと駄目なのです。比べると


↑こんな感じになるのですが、現実的にこの左側のほうが色々と得な事があります。


ツマミ、ノブの種類としましては、世の中に流通しているものはこのギザギザタイプ(↑の中で右3つ)の物が圧倒的に多いのです。それこそ数万種類はあります。それに対してストレートタイプ(↑の中で一番左側)の物はかなり種類が少ないのです。特に商業製品においては圧倒的にギザギザタイプが多いのも事実、やはりはネジで軸を掴んで固定するタイプよりもギザギザである事からしっかりと引っかかる、それが認知されているのかもしれません。↑の右3つの真ん中、シルバーのやつは、1978年製PIONEERのFMラジオチューナーから抜き取った物です。

と言うわけで、良さそうなギザギザタイプのPotentiometerを現在物色中であります。

【贈呈品?】

今回の小豆5号機については、試作機と言う事からも、贈呈先が存在しなければいずれは廃棄処分か、解体する物でありますわね。

で、今回予定しています贈呈先は、久しぶりの電子工作、電子回路関係の方。いや、そっち関係ならばその人自身が作れるんじゃねーかい?とか思われますけど、そう言われるとちょっとテンション下がりますわね。うん、実際、回路図さえお渡しすれば余裕で製作可能なお方です。とか語ってますと、「え?私、贈呈先間違ってませんか?」って事にもなりそうですけど、まあそれは置いといて、普段からハンダゴテを使ってらっしゃる方への贈呈だと色々と安心感があるのです。と言うのは、何か故障が発生した場合、御自分で修理したり出来ます。または、自分なりに改造したりも出来ますし、遠方地の方ですのでそう言った点でも私としては非常に気持ちが軽くなりますわね。しかも小豆の場合は使用しているパーツはすべてが汎用パーツであり、恐らくは今後100年は流通が途絶える事が無いようなパーツですので。たとえばPotentiometerにガリが発生した場合、適当にそこら辺で売ってる物に取り替えたりも余裕でしょうし、今思えばこれ、製作キット化した状態で贈呈しても良かった感があるくらいですのでね(恐らくは今回の贈呈先の方は、製作キット化していたほうが喜んでもらえたかも^-^;)。