8/23/2015

さようなら!大切な歴史を、ありがとう


*Freq : 1290KHz
*Output : 1W/5W(1986-1995), 10W/50W(1995-2006)
*Type : AM
*Life : 1986 - 2006
*Station Name : 1290 The Pirates Radio

Let me start by saying Thank you 1290.
You was my shining star, especially in my life with my grand-pa.

過去に当ブログでご紹介した、我が故郷コロラドの海賊放送局。その詳細を、連邦政府の方より頂きました。放送局の運営者の方のお名前は伏せておきますが、実はこの放送局が無ければ、今の私は存在しません。存在していたとしても、もっと普通の女の子になっていた、と思います。

AMラジオに興味を持つキッカケとなった1290は、かつて、じっちゃんと過ごした日々の中では無くてはならない存在でした。当たり前のように、じっちゃんのアンティークラジオから流れていた音。終了時に流れる、「本日の放送はここまで。それじゃあまた会いましょう」というメッセージが特に、私の中の歴史の中で、じっちゃんの笑顔と共に思い出されます。2000年以降は、ラジオの聴取率も悪くなり、そもそも正式名称を持たない放送局で、しかも10Wという低出力という事もあり(10Wの出力は違法です)、一部のコミュニティーフォーラム以外で話題になる事はありませんでした。しかし実際には、地元のカフェやレストランでのBGMになっていたり、局の存在は知らずとも、大半の方がこの局の音を耳にしていたと思われます。私も当時、海賊放送という存在を理解してませんでした。ラジオから聴こえて来る放送、それは、ラジオに他ならなかったのです。それに、故郷では、違法局を通報しようとする人は、例えHAMをやっている人だったとしても、通信の邪魔になったりと実害が出ない限り、まず居ません。しかも、連邦政府は、この局を20年も黙認していた、という、ある意味、柔軟性に富んだ米国ならではの扱いだったのでしょう。それに、事実、今回の録音も、政府の方の個人的な録音アーカイブを頂きました事から、年配の方々には特に愛されていた放送局だった事が伺えます。

海賊放送と言いましたが、存在自体は海賊放送ではなく、違法出力放送局に分類され、本来ならば処罰の対象になります。政治的な海賊放送とは違いますね。番組は、私の知る限りでは20年間、ノントーク。政府の受信記録からは、週末の夕刻18:00~21:00にのみ電波が発射されていたようです。私の中ではもっと遅くまで聴いていた感触だったのですけどね。

尚、放送している人は、2006.08.02 21:00の放送3日後、2006.08.05に96歳で亡くなられてます(97歳という話もありました)。

放送に使用していた設備は、送信機からアンテナ、レコードプレーヤーやミキサーに至るまで手作りで、Orban社のOptimod 8100を使用されてました。現在それらの設備は、送信アンテナのみ解体廃棄となりましたが、お孫さんが引き取ったようです。流石に継続しての放送はされていないようです。というか元々は違法出力局でしたからね。アンテナは、amラジオとしては非常に珍しい、水平接地型、140m長の2スタックダイポール。分かりやすく言うと、現在のAM送信アンテナを横に倒した形。もっと分かりやすく言うと、140m+140mの水平ダイポールを自宅の敷地内に敷設。当然、指向性はありました。出力は10WキャリアーでP.E.Pが50W程度。写真などが手に入りましたら追記して行きます。

最後になりましたが、Mr, F*** L***さん、ありがとう。