5/22/2017

CB無線とHAM

最近、ちょいと疑問に思っている事があります。恐らく、こういう形態で通信を行っている、又は行う事を前提として法整備がされているわけではない事から、解釈に委ねられる使い方だとは思います。こちらでは実際にやってらっしゃる方々がおられる、と言うのも事実。

それは

HAMとCBの相互通信。

どういう事かと言うと

AはCBバンドで送信
Bはそれをワイドバンドレシーバーで受信(CB機は不所持)

BはHFのHAMバンドで送信
Aはそれをワイドバンドレシーバーで受信(HAM機は不所持)

Bは正しくライセンスを所持しています。

つまり

A→B : CBバンド
B→A : HAMバンド

と言った感じで、違ったバンドを互いに受信、送信しての通信です。私の解釈としては、これは完全に法的には問題ない、と考えているのですが、お役人に尋ねても、「うーん、あんまり聞かないね」と言った曖昧な表現しかしません。

まず、CBバンドでは誰でも運用が可能です。逆にHAMバンドではライセンスが必要。共に、送信という行為についてのみ、ライセンスによる縛りがあるわけです。つまり、どのバンドを誰が受信しようとも、これに関しては法的にはセーフ。問題は送信ですが、これは、HAMライセンスを持っている人がHAMバンドで送信、勿論コールサインも送出します。つまり、ライセンスが必要なのは、HAMバンドで送信を行う場合のみ、と考えると、相手方がHAMライセンスを持たない人の場合で尚且つ、ライセンスフリーであるCBでの送信(CBで返事)をしているに過ぎない、と考えると、ここにどんな問題があるのか、って部分では、私の解釈としては、こちらでは完全にセーフだと考えてます。

仮に、HAMの側では、その人の声しか空中に送出されていない事になりますが、相手が居なければ送信してはならない、といったルールは存在しないわけです。もしもそれで問題ならば、CQを延々と出し続けて、一人も応答する人が居ない場合は、相手が居ない状態での送信に該当しますし。

という、ちょいとニッチな使い方を今回は考えてみました。

しかし、明確にこれがOKである、と言い切ったお役人は私の周りでは居ませんが、明確にNGである、と言い切ったお役人も居ないわけです。私としては、NGである、とした上で、その根拠と、法規に照らし合わせた説明に興味があるのですけどね。

5/18/2017

簡単AMラジオ送信機~AZUKI~(第二回目)

実用的なAMラジオ送信機、AZUKIシリーズ。

[コンセプト]

1: 可能な限り部品点数を少なく
2: ほぼ全世界の微弱電波範囲に収まる
3: 入手が容易な汎用部品のみで構成
4: 拡張性を持たせてる事で、拘れば更にグレードアップ可能

[製作]

最低限の機能と最低限の構成のAMラジオ送信機。それ故に周波数は入手できる水晶発振子に依存します。

[ケース加工]




ケース加工については、各々が使い易い入れ物をご用意下さい。私はウォルマートで2個1$で販売されている木箱です。今回は何時もとは違い、ブラックにしてみました。普段はブラウンなのですが、ブラックにすると少し上品さが滲み出ますね。ラッカースプレーでシューです(♥^-゚)v



5/14/2017

簡単AMラジオ送信機~AZUKI~(第一回目)


実用的なAMラジオ送信機、AZUKIシリーズ。

[コンセプト]

1: 可能な限り部品点数を少なく
2: ほぼ全世界の微弱電波範囲に収まる
3: 入手が容易な汎用部品のみで構成
4: 拡張性を持たせてる事で、拘れば更にグレードアップ可能

[製作]

最低限の機能と最低限の構成のAMラジオ送信機。それ故に周波数は入手できる水晶発振子に依存します。


電源は5Vです。USBバスパワーから取っても大丈夫なくらいに、低消費電流です。勿論、ACアダプターなどから5Vを作ったりしてもOKですが、FM送信機と違い、電源電圧が上昇しますと、電波に乗る音声信号が歪んだりしますので、5V、高くても6Vまでで使用します。と言うより、74HCシリーズのロジックICを使用する関係で、HCシリーズの最大動作電圧7V以下で使用する必要がありますのでご注意下さい。どうしても12Vなどで使う場合、レギュレーター7805などで5Vを作って供給しなくてはなりません。

[拡張製作]

電波出力が最大に調整できるように、LEDによる簡易出力調整回路をつけました。LEDが最も明るくなるように60~150pFのバリコンを調整しましょう。所謂RFプローブのような物です。


各コイルはマイクロインダクターやパワーインダクターでOKですが、フェライトコアで製作してもOKです。コアに巻くUEW線は、あんまり太すぎる物だと、所定の回数が巻けませんので、お奨めなのは0.5mm~1mm幅のUEW線です。

[150uHコイル]

FT-50-43 : 17回巻き
FT-37-43 : 19回巻き

[470uHコイル]

FT-50-43 : 30回巻き
FT-37-43 : 33回巻き

[アンテナ]

直線的にピーンと張る形で、150cmの長さのケーブルにマッチングします。尚、出力部のマッチング回路により、アンテナワイヤーを長くすればするほど飛距離が伸びる事はなく、例えば3mのワイヤーを使った場合はマッチング範囲外になり、逆に飛距離は短くなります。正しく150cmにマッチングできた場合は、凡そ10~20m程度のサービスエリアになります。

[飛びすぎて気持ち悪い]



そういう場合、出力部分にある510pFと並列に、50~100Ωの抵抗を配置して下さい。アンテナの長さを短くして飛距離を抑えようとすると、マッチング不良により、音声品質として歪んだりします。


災害時に強いAMラジオ、と言うのは都市伝説

災害時に強いとされているのはあくまで受信側視点なのです。もし、送信所がダメになった場合、小型で持ち運びすら余裕であるFMラジオのほうが、総合的に見ますと災害時には強い事になります。

AM放送の送信所とアンテナは、とにかく巨大で、持ち運びは不可能。

FM放送の送信所とアンテナは、小型で、一式をワゴン車に詰め込めるレベル。

尚且つ、例えば100kwの送信出力を持つ場合、AM放送の100kwと、FM放送の100kwでは、確実にFM放送に価値が出ます。まず飛距離。AM送信の場合、理想的なアンテナサイズは100mを超えます。方やFM放送の場合、大きくても2m程度のアンテナサイズでOK。更にサイズを大きくして10mくらいで設計した場合、アンテナ利得として輻射効率を上げる事さえ出来るバンドなのです。

もしAM放送の送信所が災害により破壊されてしまった場合を考えますと、簡単に持ち運べるレベルのFM送信のほうに緊急時の有効性が発揮されます。

しかも災害時に必要な飛距離と言っても、遠方にまで届くAMよりも、近場に届くFMで十分に足りるのです。

受信機の普及率としての問題も挙げられますが、現代においてはそれはほぼ無視して良いのです。1970年代頃ですと、まだFM放送受信機の普及率はそれほど高くはありませんでしょうが、現在ではそのような事はなく、寧ろ送信側では簡単に予備送信機器を備える事もできるFM放送に、緊急時、災害時の軍配が上がってしまいます。

そして、そのFM放送ですら、災害時の有用性が疑われています。そんな物を緊急時、災害時に死守するよりも、IPネットワークを死守するほうが、実際のところ大いに有効度が高いのです。それは、普段から身に着けている物として、モバイル端末が挙げられます。スマホ、ガラケーを含めて、そういった物が緊急時、災害時に使える事を守り抜くほうが、よっぽど良いのです。中にはFM放送受信機能を備えた端末もあるでしょうが、徹底はされていません。ただ、緊急時、災害時の放送そのものは必要でありますね。IPネットワークを通じてそれらの情報を受け取るわけですのでね。ですがその伝達方法として、AM放送やFM放送を最優先に死守する、という方向性には疑問を感じざるを得ない時代になってきています。

統計としまして、もし、地震や津波が発生し、家庭内の電力が失われた場合、あなたなら真っ先に何をするか?

その答えを統計しますと、そこにAMラジオ、FMラジオを聴く、という人と、スマホで情報収集する、という人、どちらが多いかを見てみますと、それが答えになります。

鉄道で最も最先端はやはりヨーロッパ

と言いたいですが、どの国も似たり寄ったりですわね。日本に行った時に日程が少しズレてしまい、丁度東京のラッシュアワーにぶち当たりました経験がありますが、



このギューギューに詰め込まれた移動式監獄のような地下鉄内で血が流れない国民性




に驚いたと同時に、アホですか貴方達は、って感覚にもなったわけです。

移動手段として快適を提供する航空会社とは違い、地上での移動手段を提供する会社は、快適を構築するのは理想としつつも、現実としては快適とは程遠いサービス提供に至っているようです。と同時に、快適を構築すれば利便性を欠いてしまい、会社の負担も大きくなるのも想像に難しくないわけです。乗車人数制限により快適空間が出来ますが、利便性は落ちる、と言ったように。

因みにこちらでは、ギューギュー詰めというのはほぼありませんが、問題は電車の外でのお話に、色々と問題を抱えてます。

特に貨物列車。

全長5kmにも及ぶ車列が、時速20km程度で通過するのを踏み切りで待たされるとなれば、これはもうクレームです。しかも列車運行上の信号待ちが発生している場合、踏み切りを通過するのに2時間とか余裕で掛かります。歩きで踏み切りに差し掛かっている場合、車などとは違って身軽ですので、低速時に車列に飛び乗り、反対側へと抜ける事も出来ますが、禁止されてはいませんが一応はそれ危険行為ですのでね。

「すみまない。今日はF*D*xだった」

と槍玉に挙げられるフェ*ックスさんも可愛そうですが、遅刻するかしないかのギリギリの時に車で踏み切りに指しかかり、貨物列車待ちに遭遇したら、諦めるか、車を捨てて車列に飛び乗り反対側へ、という選択しかなく、上手く行けば迂回路で先回りもありますが、どのみちあんまり変わらないわけです。そりゃクレームですわね。

しかし、輸送も必要な物ですので、なかなかこの問題の解決には道のりが遠いのも現状。

エクスプレス系では、車列を小さくして、踏み切りのローテーションを短く出来るように工夫している会社もありますが、一気に大量輸送をするほうがコスト面では有利になる、ってのがあります中で、結局は輸送料金に跳ね返ってくるというマイナス面もあり、難しいのが現状です。

お隣米国では、貨物車両を二階建てにして、輸送効率を上げようとした例もありますが、同時にその車列は非常に操縦し辛い事で、事故の発生率も上昇し、結果的にコストに跳ね返ると言う本当に微妙な立ち位置に立たされているわけです。

でもだからと言って、やはり踏み切りで数時間待たされると言うのは、改善して欲しいところですわね。





5/09/2017

2SC1815


日本では有名とされている東芝の2SC1815。もう既に産業用途としては使えなくなり、オリジナルは在庫流通のみとなっています。セカンドソースとしましては、フェアチャイルド社によってKSC1815として製造されています。因みに、我が国ではオリジナルの2SC1815への知名度は殆どありません。と言うよりそもそも2SCと言う名称に対しての知名度としても、比較的に宜しくないのです。恐らくとしましては日本の皆様が9018(中国のCHANGJIANG電子製)と記されたトランジスターが使われているのを見て、「何だこれ?」って思われるのと似ているかもしれません。1815と9018では流石に高周波特性の面では9018が圧勝しておりますので、並べて紹介するのは酷でありますが^^。9018は800MHzと言うftを持っており、尚且つhfeもかなり高い石です(2SC1815は公称80MHz)

当方で所持している物としましては、1978年製造ロットの物が500個ほど。経年劣化もあり、端子などが錆びてしまってますので、使用する場合には磨いてあげたり、しっかりとハンダを浸透させてから使います。

ではこちらで汎用として、尚且つ1815のように廃品種ともなっていない石にはどんな物があるのか、と言いますと


日本でFETと言えば?、と聞かれると私には分かりませんが、こちらでは汎用と言う位置づけでは2N7000が挙げられます。

2N2222, 2N3904と比較しますと、特にHFのプリアンプとしての回路ではNF値として2SC1815のほうが低いとされていますね。とは言っても、今では探せばそれ以上の物は沢山見つかります。

誤解されないように書きますが

2SC1815とこれら上記のトランジスターとは互換ではありません。間違えてもそのまま差し替えて使う、などと言った事はダメです。特性以前にまず、ピンアサインが違います

こちらで一般的な配列は、Emitter, Base, Collector、つまり正面左からEBCです。

2SC1815(KSC1815)は、Emitter, Collector, Base、つまり正面左からECBです。


まずパーツ屋さんに出向いてこれらの2N2222, 3904、そしてコンパチのセットが売り切れていた、なんて事になれば、そのパーツ屋の信頼度が落ちる、とまで言われます。どうしても売り切れていた場合は、


BCシリーズを^^、と言った具合いに位置づいてますわね。余談ですが、右端にありますフェアチャイルドB834-Yは、電源トランジスターとしての定番です。こちらは日本の2SD880とほぼ互換がありますので、困った場合の選択肢にどうぞ。BD131は汎用とは無関係です。

日本のトランジスター命名規則は神である、と思われる点があります。

それは

用途に応じてイニシャルレターを分けている点!

2SA : PNP / RFまで使える
2SC : NPN / RFまで使える
2SB : PNP / 低周波用途
2SD : NPN / 低周波用途
2SK, 3SK : 電界効果トランジスター(FET)

因みにこちらでは、2N2222はNPNトランジスターでRFまで使える物。2N7000は電界効果トランジスター(FET)。汎用レーンにあるものは、トランジスターであれFETであれ全て2Nから始まります。最近ではPower MOSなどでイニシャルレターが違うシリーズもありますが、明示的にトランジスターなのかFETなのか、NPNなのかPNPなのか、データーシートを見るまで分かりません。そういった点では、日本の命名規則は後の利便性を考えている、って思いましたね。

数年前の技術部コミュのたっくんとの会話

た「ディスクリートで作るのかー、だったら適当な汎用1815とか使っておけば?」
私「え?レギュレーター?」
た「ふぁ???いや、だから汎用のトランジスター1815」
私「2N1815…って何それ?」
た「何十年と王座に君臨した1815を知らないとは(笑)」

が懐かしくもあります(o→ܫ←)b。


今回は汎用品についての話題でした。